筆者にも経験がありますが、ある日突然、iPhoneの電波感度が「圏外」の表示に!
びっくりしますし、焦りますよね。
iPhoneは、通話&通信あってこそのお役立ちアイテムですから。
iPhoneは、常に手元にあってメールやSNS、WEB閲覧や、動画視聴、ニュースチェック、アプリ&ゲームと、ありとあらゆるコンテンツで利用していますが、iPhoneは「携帯電話」であり、「モバイルデータ端末」ですので、通信圏外ではほとんど役立たずの「文鎮」と化してしまいます。
今回は、そんなiPhoneの「圏外」表示について調べ、原因や、その原因ごとの解決法や対処法を開設します。
iPhoneが圏外になる原因は意外と多い
「圏外」なんて、通話・通信の電波が正常に届いていない…としか思いつきませんが、実は、iPhone自体に問題がある場合や、iPhone以外の外的要因で圏外になっている場合もあり、一概に、電波が悪いとばかり言えません。
以下では、主な「圏外」になる原因と、その解決法・対処法を解説します。
場所を移動しアンテナが立つか確認する
モバイル通信は圏外でも、WiFiには接続できていて、通信が可能なのであれば、とりあえずiPhone本体よりは、通信状態・電波状態を疑ってみる事が先決です。
はじめての場所などでは、数メートル移動しただけで建物の陰に入ってしまって「圏外」になる場所も少なくないので、「圏外」表示が出たら、とりあえず今いる場所を少し移動してみましょう。
それでアンテナが立つようなら、単に電波が届かなかっただけで、iPhoneにも、通信会社にも、SIMにも異常はなさそうです。
まずはSIMをチェック~通信会社・電波状況を確認すべし
「圏外」になったら、まずは、SIMの状態をチェックし、続いて通信会社やSIMをチェックする事で、通信環境や電波状態が正常かどうかを確認する必要があります。
SIMの抜き差しを試みる
場所を移動しても「圏外」のままであれば、一度、SIMを抜き差ししてみましょう。
持ち歩きの振動や、落下などの衝撃でSIMの接触が悪くなったり、位置がずれる等が起こる場合がありますので、一旦、SIMを抜いてから挿し直し、正しい位置に装着しましょう。
SIMの抜き差しは、通信会社のプロファイルをインストールした際に、電波を掴まない場合にも有効な手立てですので、通信がうまく確立できない場合には試してみる事をお勧めします。
SIMの破損・変形・汚損のチェック
SIMを一旦抜いた際に、SIMの破損・変形・汚れなどを目視でチェックし、柔らかい布などでSIMの汚れを拭います。
その際の布は、必ず乾いていて、SIMに傷をつけない柔らかいものを使ってください。
破損・変形などがある場合には、通信会社に連絡し、SIMの交換(再発行)を依頼しましょう。多くの格安通信会社ではマイページから申込む事が可能です。
また、破損・変形したSIMは、iPhone本体内に戻さないように注意してください。
今回はたまたま出てきましたが、破損個所や変形のためSIMが取り出せなくなる場合があり、その場合には、本体を分解修理するしかなく、それなりの修理代金がかかってしまいます。
iPhone本体内への液体侵入の確認
また、SIMを外した後の「SIMトレースロット」の内部を覗いてみましょう。
液体侵入(水没)インジケーターが赤化している場合には、水没による内部回路などの不具合の可能性があります(※)。
歴代iPhoneの液体侵入インジケーターは、SIMトレースロット内にあります。
※インジケーターが、液体侵入(水没)に反応していた場合の対応法は別記します。
iPhoneの軽いエラーの可能性をチェック
次には、何かの拍子にiPhoneに軽度のエラーが起きている事を疑いますが、iPhoneで幾つかの操作をする事で、簡単にエラーを解消して普及させる事ができるケースがあります。
iPhoneの再起動、機内モードのON・OFF
iPhoneの電源のON・OFFや再起動や、機内モードのON・OFFを試みてみましょう。
端末の軽いエラーであれば電源ON・OFFや再起動で復旧させる事ができますし、感度のよくないアンテナを掴んでいる場合には、機内モードのON・OFFによって別のアンテナを掴みなおしますので、状況が改善する場合があります。
iPhoneの機種ごとの再起動方法
軽微なエラーであれば、電元ON・FFまたは再起動によって改善できる場合があります。
iPhoneは再起動方法が数種類ありますので、機種ごとに解説します。
(1) iPhone 8/iPhone X以降の強制再起動方法
- ① 本体左ボリューム(UP)ボタンを押してすぐ放す
- ② 本体左ボリューム(Down)ボタンを押してすぐ放す
- ③ 本体右側サイドボタン(電源ボタン)を長押し
- ④ 画面が切り替わるまで押し、Appleのロゴマークが出たら放す
(2) iPhone7/7 Plusの強制再起動方法
- ① 本体左右のボリューム(Down)ボタンと、スリープ/スリープ解除ボタンを同時に長押しする
- ② 画面が切り替わるまで押し、Appleロゴマークが出たら放す
(3) iPhone 6s/6s Plus、iPhone SEの強制再起動方法
- ① 本体右側(または本体上部)のスリープ/スリープ解除ボタンとホームボタンを同時に長押しする
- ② 画面が切り替わるまで押し、Appleのロゴマークが出たら放す
再起動によって電波を掴む事ができ、通信を確立できればそれでOKです。
それ以上の何らかの対策や修理などは必要ありません。
ただし、圏外病が頻発する場合には単純な理由ではない可能性がありますので、数離縁などで点検してもらう事も検討してみてください。
SIM・iPhoneいずれに問題が起きているか判断する最終チェック
ここまで、比較的簡単な方法での「圏外病」からの脱出方法について解説しました。
上記のチェック方法・脱出方法で改善されれば、症状は比較的軽度で、頻繁に発生しない限り特に修理等の必要はないと思われます。
ただ、ここまでのチェックや方法では改善できないとなると、しっかりした対応が必要になってきますので、SIMまたはiPhone本体いずれに問題があるのかの最終的なチェックを行う必要があります。
最終チェックの前に、ソフトウエアを最新に更新する
最終チェックをする前に、必ず確認しておくべき事があります。
- ① キャリア・アップデートを行う … キャリアからアップデートが配信されている場合には必ずアップデートしておく
- ② iOSを必ず最新バージョンにアップデートしておく
キャリア・アプデートや、iOSアップデートで不具合が解消する場合もありますので、必ずチェックしてください。
通信会社・回線キャリアのメンテナンスや障害情報をチェック
昨日まで正常に使えていたのに、いきなり「圏外」になってしまった場合には、そのエリアで工事やメンテナンスが行われている場合が意外に多いものです。
また、もっと大きな規模で通信障害が発生している場合も、かなり稀なケースですが、全くない訳ではありません。
契約している(SIMを発行している)通信会社、SIMの通信回線キャリアのメンテナンス情報などで、アンテナ工事や不具合の発生などの情報がないかを調べて確認します。
SIMを差換える、別端末にSIMを挿してみる
ここまでのチェックは、比較的簡単に実行できる方法です。
ここまでのチェックで通信が復旧できない場合には、SIM(通信)側に問題があるのか、iPhone(本体)側に問題があるのかを特定しなえればなりません。
その方法は、SIMを他の端末に挿してみる事、圏外になっているiPhoneに別のSIMを挿してみる事です。
端末やSIMを複数所有していない・契約していないと言う場合には、家族や友人から一瞬借りて確認してみてください。
他の端末にSIMを差換えた際に、通常通りアンテナが立てばSIMの問題ではありませんし、やはり「圏外」のままの場合には、SIM(通信)に問題があると考えられます。
圏外になるiPhoneに他のSIMを挿した際に、通常通りアンテナが立てばSIMに問題はないと考えられますし、「圏外」だった場合にはiPhone本体に問題が発生していると考えられます。
SIMに問題がある場合・iPhoneに問題がある場合
前項の、SIMの入替や、スマホの入替などでSIMまたはiPhone本体のいずれかに問題が発生しているようだ…と判断できたはずですが、各々によって対応法が異なってきます。
SIM(通信)に問題がある場合にはサポートへ
ここまでで、電源ON・FFや再起動、機内モードON・OFFは試しているので、個人ができる対処法はほとんど残されていません。
もし、通信会社・回線キャリアに通信障害や工事・メンテナンスの情報があれば、それが解消するまで待たなければなりませんが、一口に「情報」と言っても、探すのはなかなか手間のかかる作業です。
そういう場合には、サポートに電話をする事が何よりです。
利用している環境や場所などと共に「圏外」が解消しない旨、試したチェックの内容などを伝え相談してください。
工事や障害が発生していれば教えてくれますし、そうでなければ、SIMの交換などを案内してくれるはずです。
iPhone本体に問題があると判断された場合には
SIMの差し替えや、本体の入替えなどのチェックで、どうやらiPhone本体に問題がありそうだ…と判断できる場合には、状況はかなり悪い方向へ進んでいると考えた方が良いでしょう。
iPhone本体に問題が発生していると言う事は、前出の水没なども含めて、故障・エラー・不具合が発生しているとうことですので、素人が自身の手で何とかできることではないためです。
圏外病が発生するiPhoneの故障・不具合の対応法
ここまでのチェックや対応策は、通信回線やSIMを確認したり、軽微なエラーを再起動で修正する等、iPhoe本体に決定的なダメージや故障が発生していない前提のものです。
しかし、ここまでチェック・対応策を施した上で、最終チェックをした結果、どうやらiPhoneに問題があるらしいと判断した場合には、ここまでのようなユーザーによる簡易的な対応策では復旧できるものではなくなってきます。
液体侵入(水没)により不具合の場合
iPhone 修理店等に聞くと、圏外病だと持ち込まれるiPhoneのうち、相当数が「液体侵入」いわゆる「水没」だそうです。
しかも、不調の原因を「水没」と告げると、ほとんどのユーザーは「覚えがない」と答えるそうです。
例えば、飲み会の席などでテーブルに置いたiPhoneにグラスに結露した水滴が侵入してしまうなど、気づかないうちに「水没」してしまう「知らぬ間水没」が多いそうです。
気づいていても、気づかなくても、水没はAppleの「製品1年限定保証」の対象外ですので、Appleサポートでの修理は有償となります(保証対象外の修理はかなり高額です)。
Appleサポートによる正規修理料金(上段:Apple Care+加入時、下段:保証なし・保証対象外)
機種名 | Apple Care+ | バッテリー | 画面 | その他 |
---|---|---|---|---|
11 Pro MAX | あり | 無料 | 3,400円 | 11,800円 |
なし | 7,400円 | 35,800円 | 64,800円 | |
XS MAX | あり | 無料 | 3,400円 | 11,800円 |
なし | 7,400円 | 35,800円 | 64,800円 | |
11 Pro | あり | 無料 | 3,400円 | 11,800円 |
なし | 7,400円 | 30,400円 | 59,800円 | |
XS | あり | 無料 | 3,400円 | 11,800円 |
なし | 7,400円 | 30,400円 | 59,800円 | |
X | あり | 無料 | 3,400円 | 11,800円 |
なし | 7,400円 | 30,400円 | 59,800円 | |
11 | あり | 無料 | 3,400円 | 11,800円 |
なし | 7,400円 | 21,800円 | 43,800円 | |
XR | あり | 無料 | 3,400円 | 11,800円 |
なし | 7,400円 | 21,800円 | 43,800円 | |
8 Plus | あり | 無料 | 3,400円 | 11,800円 |
なし | 5,400円 | 18,400円 | 43,800円 | |
8 | あり | 無料 | 3,400円 | 11,800円 |
なし | 5,400円 | 16,400円 | 37,800円 | |
7 Plus | あり | 無料 | 3,400円 | 11,800円 |
なし | 5,400円 | 18,400円 | 37,800円 | |
7 | あり | 無料 | 3,400円 | 11,800円 |
なし | 5,400円 | 16,400円 | 34,800円 | |
6s Plus | あり | 無料 | 3,400円 | 11,800円 |
なし | 5,400円 | 16,400円 | 35,800円 | |
6s | あり | 無料 | 3,400円 | 11,800円 |
なし | 5,400円 | 16,400円 | 32,800円 | |
SE | あり | 無料 | 3,400円 | 11,800円 |
なし | 5,400円 | 13,800円 | 29,400円 |
Apple Care+に加入していたとしても11,800円ですから、正直、かなり痛手となる出費です。
では水没したiPhoneがすでに「圏外」という不具合を発症している状態でiPhone修理店に持ち込まれた場合の「修復率」はどれほどなのでしょうか(修復率とは、水没したiPhoneが通常使用の状態に戻る事を指します)。
ダイワンテレコムの場合では、水没当日の持ち込みで約8割、1週間以内で6.5割程度、1カ月経過で5割程度の復旧率だとのことで、筆者が受けた印象としては、「意外に時間が経過していても治るものなんだな」ですが、怖いのは、最初の「当日8割」です。
水没当日に持ち込んでも、2割は復旧しないわけですから、つくづく水没だけはさせたくないと思います。
修理費用は、現在主流で使用されているiPhone 6以降の場合は、修理内容にもよりますが、2万円超の金額がかかってしまうようです。
ただ、修理店ならではのメリットとして、水没機を開いてみて修理をするか、あきらめるかを相談できるようです。もちろん、その場の状況を教えてくれてアドバイスもしてくれるはずですので、無駄な修理費用を注ぎ込む心配はありません。
(ただし、分解と状況把握のための作業料金が最低5000円かかるのはやむを得ないところです)
水没以外の理由による圏外病の修理
- 「落下による大きな衝撃が加わった」
- 「炎天下に数時間放置してしまった」
- 「バッテリーの劣化による不具合」
iPhoneの故障の原因は様々で一概に言えませんが、大抵の修理は街の修理店でできてしまう上、料金も割安な設定ですし、何より、状況によって相談しながら進めてくれるので、想定外の大きな支出になって驚くと言った事がないのが一番の安心です。
状況によっては、新たな端末を買い換えた方が割安に済ませられるケースもあると思いますので、とりあえず、相談だけでも修理店に持ち込んでみるしかないのではなかと思います。
ただ、注意したいのは、ある程度名前が通っている大規模店を選ぶべきだと言う事です。
大規模に支店を展開してるような著名店舗は、すでに、その道での信用ができており、その信頼を失うような無籍にな修理をしてしまう事は、競争が激しい業界の中では致命的です。
大規模店だからと料金が割高な設定にはなっていませんので、名前を聞いた事のある店舗で相談してみては如何でしょうか。
ずっと圏外のままのiPhone まとめ
iPhoneは常に身近にあるので、文房具か何かのように気軽に扱いますが、よくよく思いお出してみれば、何万円もする精密機械なのですから、取り扱いにはもっと慎重かつ注意深くてもよいはずです。
落下や水没は、iPhoneの不調を招く最も多い原因ですが、ユーザー本人が気づいておらず、状況が悪化し、不具合が生じてから慌てて何とかしようとするケースが多いようです。
日ごろから、落とさない、水没させないに気を配れば、iPhoneの不調はかなり遠ざけられるはずです。